関節の痛みとは
一般的に、整形外科を受診される患者さんの中で最も多い訴えは「腰痛」です。その次に「膝の痛み」「肩の痛み」が続きます。
以下、膝や肩の痛みを含めた関節の痛みの診療について、概略をご説明いたします。
関節痛の原因はさまざまで、打撲や捻挫といった外傷(ケガ)によるもの、関節に起こる疾患による痛み、また感染症や全身的な疾患の一症状としての痛みもあります。
通常、外傷であれば問診だけでもおおよそ状況がわかりますが、簡単に診断がつくものばかりではありません。
具体的には、
- 詳細な問診
- いつ/どのような状況で/過去の症状の有無/家族歴など
- 理学所見
- 関節の動きや腫れの状況、発熱の有無など
- 画像診断
- レントゲンやエコー
- 検体検査
- 採血、検尿など
これらの中から必要な情報を取捨選択して、可能な限り正確な診療を行う作業の繰り返しです。
最初からうまく診療が進めば問題はありませんが、関節痛の原因となる病状は時間とともに変化しますので、多くの場合はお薬を使ったり、リハビリを行ったりして、改善を期待しながらよくなるのを待つことになります。
これがいわゆる「保存的治療」です。
関節の痛みで受診された方々の多くは、保存的治療で改善が期待できます。
当クリニックは小さなクリニックですが、整形外科領域の保存的療法については、ほとんどの部分をカバーすることができると考えております。
ただ、患者さんの10人に1人程度の割合で、診断や病状の把握は間違っていなくても、保存的治療ではなかなか改善しない方もおられます。
そのような方々については、手術によって改善するかどうかを検討します。
ほとんどの場合、すぐに命に関わることはありませんので、焦らずじっくりと考えることが大切です。
現在、整形外科手術は高度に専門化が進んでいます。
実際には膝関節、股関節、肩関節、手の専門、足の専門、脊椎など多岐にわたり、実際の手術では、2-3人の外科医がチームとなって難しい手術にあたります。
したがって、全ての分野の手術を高度にこなすことのできる施設は、大学病院や有名な専門病院など、ごく一部に限られています。
多少脱線しますが、「医局」あるいは「医局制度」と聞きますと、悪しき旧弊として一般的には大変悪い印象をお持ちの方も多いでしょう。
院長は平成9年に千葉大学を卒業し、母校の整形外科「医局」の門を叩きました。
戦前から続く外科の伝統を継ぐ歴史の古い「医局」でしたので、よく言えば体育会的、言い換えれば有無を言わせぬ上下関係の中に何も知らず飛び込んで行きました。
厳しくも楽しく医局とつながりを持ちながら医師を続け、なんとか20年間過ごしてきましたが、そのおかげで多くの素晴らしい方々とのつながりが出来ました。
もし、ある患者さんを前にして「ちょっとウチのクリニックでは難しいな」とか、「これは手術でないと厳しいな」という状況の時には、その分野の専門医をご紹介いたします。
私が、または私の家族が手術を受けるとして、安心してお任せできるような先生をご紹介できるよう、心がけております。
どうぞお気軽にご相談ください。
部位別にみる代表的疾患
- 頸椎
-
- 頸椎椎間関節症
- 頸椎椎間板ヘルニア
- 肩関節
-
- 五十(四十)肩(肩関節周囲炎)
- 肩腱板損傷
- 脊椎
-
- 筋膜性腰痛
- 腰椎椎間板ヘルニア
- 変形性腰椎症
- 骨粗鬆症
- 腰椎分離・すべり症
- 坐骨神経痛
- 肘関節
-
- 上腕骨外側(内側)上顆炎(テニス肘、野球肘など)
- 肘内障
- 肘部管症候群
- 変形性肘関節症
- 離断性骨軟骨炎
- 手・手関節
- 関節リウマチ
- 手指変形性関節症
- 手根管症候群
- 突き指
- ばね指(弾発指)
- へパーデン結節
- プシャール結節
- 股関節
-
- 変形性股関節症
- 単純性股関節炎
- ペルテス病
- 膝関節
-
- 変形性膝関節症
- 膝半月板損傷
- 足関節
-
- 痛風
- 偽痛風
- 変形性足関節症
- 外反母趾